女性目線レビュー『203号の隣人は鍵束一つ残して消えた。』作者:閏あくあのレビュー記事

女子向け漫画

【レビュー】

203号の隣人は鍵束一つ残して消えた。

―優しい隣人の微笑みの裏で、すべては始まっていた―

「こんなに優しくされてるのに、全部“知っていた”なんて――」

ふとしたすれ違いが、こんなにも濃密で、甘くて、危険で、そして心に残る物語になるなんて思わなかった。

女性向けアダルト漫画の中でも、静かな狂気と欲望、そして“執着”をじわじわと描き出す作品――

それが『203号の隣人は鍵束一つ残して消えた。』です。

登場人物は、どこにでもいる普通のOLである「私」。

そして、いつもニコニコしていて朗らかで、どこまでも優しい隣人・鞍馬凪人(くらま なぎと)さん。

彼はまるで絵に描いたような理想の隣人。困っていたら助けてくれて、挨拶も忘れず、私のことを何かと気にかけてくれる。

私はそんな彼に、惹かれてしまった。少しずつ、でも確実に。

でも、恋に慣れていない私は、好きという気持ちの伝え方が分からなくて――

鞍馬さんの帰宅時間をそっと確認してみたり、彼が何を食べてるかを想像してみたり。

それがいつしか、ストーカーまがいの行動になってしまっていた。

本当は、自分でも引いていたんです。

「私、気持ち悪いな…」って。

そして私は、罪悪感から逃げるように引っ越しを決意する。

最後に、せめて謝ろうと彼の部屋を訪ねて告げたんです。

「私、あなたのこと…好きで。でも…気持ち悪いことしてました。ごめんなさい」って。

そしたら鞍馬さんは、あの柔らかい笑顔のまま、

「知ってるよ」って、言ったんです。

「全部、知ってるよ」って。

優しさの皮をかぶった執着愛――そして鍵の束

その瞬間から、物語はガラリと雰囲気を変えていきます。

“優しい隣人”は、私が想像していた人物ではなかった。

彼の部屋にあったのは、いくつもの鍵。

それは私が過去に住んでいた部屋、実家の鍵、会社のロッカー、誰にも教えたことのない場所の鍵まで――

鞍馬凪人は、すべてを知っていた。

私の秘密も、行動も、癖も、生活も、性癖すら。

「僕も、君のことずっと見てたよ」

「どんな風にひとりでしてるのかも、知ってるよ」

「君の声、夜、聞こえてた」

静かに、淡々と囁くような言葉の中に、異常な執着が潜んでいて、ゾクリとするほど怖いのに――

でも、なぜかその支配欲に抗えない自分がいるんです。

あの夜、部屋の中で始まったもの

鞍馬さんに部屋へ引き入れられてからの描写は、まさに女性向けアダルト漫画の醍醐味。

強引に押し倒されるわけじゃないのに、逃げられない。

優しい口調で「僕だけのものだよね?」と問いかけながら、指先で肌の奥まで探られる。

身体の奥にまで届くような声で、耳元で執拗に囁かれる。

そのたびに理性が溶かされて、羞恥心よりも“彼に受け入れられている”という満足感が勝ってしまう――。

あの笑顔の裏で、ずっと私を見つめていた人の愛は、もはや“愛”という言葉では足りない。

それは、狂気と欲望が溶け合った所有欲そのもの。

でも、それが…たまらなく心地いい。

“ごめんなさい、私、最低の女です”

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203号の隣人は鍵束一つ残して消えた。(コミック)

ストーカーまがいの恋と、優しすぎる隣人が崩す境界線

どんなに罪悪感にさいなまれても、心が抑えられないときって、ありますよね。

恋をすると、理性がどんどんとけていって、いつの間にか“やっちゃいけないこと”をやってしまう。

それがどんなに恥ずかしくて、自分でも「最低だ…」って思っても。

止められないんです――だって、彼が優しすぎるから。

憧れの人に、してはいけないことをしてしまった。

お隣に住んでいる鞍馬凪人さんは、本当に素敵な人でした。

毎日きちんと「おはようございます」と声をかけてくれて、荷物を持ってくれたり、風邪の時にはポカリを買ってきてくれたり…。

そんな風に誰にでも優しい彼に、いつの間にか惹かれていって。

最初は、ただ笑顔を見るだけで幸せだった。

けれどだんだん、彼のことをもっと知りたくなってしまって。

ゴミ袋をこっそり開けて、食べているものを確認した。

帰宅時間をメモして、偶然を装って同じ時間に帰るようにした。

誠実で真っ直ぐな彼のことを想いながら、“匿名の手紙”まで送ってしまった。

手書きで「あなたの笑顔が好きです」「毎日会えてうれしいです」って…。

客観的に見たら、どう考えても最低だってわかってる。

でもそのときの私は、恋をしている自分が愛しくて、狂ってた。

――でも、全部、彼は知っていた。

そんなある日、ふとしたことで私は我に返ってしまったんです。

「私…こんなことして、どうかしてる」

「もし彼に知られたら、きっと軽蔑される」

「私なんて、そもそも彼に釣り合うわけがない」って。

だから、引っ越すことにしました。

彼の前から、完全に消えることで、すべてをリセットしようと。

罪を告白して、謝って、あとは逃げるだけ――。

そう思って、鞍馬さんの部屋のチャイムを鳴らした。

「私…ストーカーしてました」

「ゴミを漁って、手紙も送って…本当にごめんなさい」

「最低で、気持ち悪くて、でも、好きだったんです…」

涙がこぼれそうなほど恥ずかしくて、逃げ出したかった。

でも――

鞍馬さんは、あの笑顔のままで、

まるで優しい兄のように、

まるで全部を抱きしめるみたいに、こう言ったんです。

「知ってたよ」

「全部、前から知ってた」

その言葉で、物語は裏返る。

彼は、私のすべてを知っていた。

自分のことをこんなにも愛してくれる存在がいること。

それを知った鞍馬さんは、嫌悪せず、受け入れた。

むしろ、「嬉しかったよ」とさえ、微笑んで――

でも、それは“優しさ”だけじゃなかった。

その笑顔の裏にあるのは、もっと深くて、濃密で、狂おしいほどの執着。

「僕も君のこと、ずっと見てた」

「君の部屋の鍵も、ロッカーの暗証番号も、実家の住所も知ってる」

「君がひとりでする時の癖、声の出し方も、可愛いよね」

静かに、でも確実に“逃げ場のない愛”に包まれていく私。

その時、初めて気づいたんです。

鞍馬さんもまた、私と同じだったんだって。

優しさという仮面をかぶった、私と同じくらい、いや、それ以上に“狂ってる人”だったんだって。

こんなに怖いのに、なぜ“嬉しかった”の?

作品の最大の魅力は、優しさと支配欲の絶妙なバランスにあります。

女性向けアダルト漫画として、過激で甘いシーンももちろん描かれています。

でもそれ以上に、この作品が刺さるのは、共依存的で、歪な関係性が描かれているから。

「最低な女だって思ってた。でも、それを丸ごと愛してくれる人がいるかもしれない」

そんな幻想を、たった一晩で現実のものにしてしまう作品。

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203号の隣人は鍵束一つ残して消えた。(コミック)

こんな方におすすめです

執着愛や狂気的な恋愛にゾクゾクする人

優しすぎる男性が実は一番怖い、というギャップ萌えが好きな人

自分の弱さごと愛されたいと思ったことがある人

鍵、盗聴、監視、秘密といったフェティッシュな要素にときめく人

まとめ|罪と欲望が交差する部屋で、鍵が外れる音がする

『203号の隣人は鍵束一つ残して消えた。』は、“こんな恋してみたい”という理想の先にある、

“こんな恋しちゃダメなのに、してしまう”という欲望を描いた、背徳のアダルト作品。

「女性向けアダルト漫画」「執着愛」「秘密の関係」「狂気の恋愛」といったキーワードが好きな人には、確実に刺さります。

引っ越して終わるはずだった関係は、今、始まったばかり――

鍵を手にしたのは、どちらだったのか。

ぜひ、その目で確かめてください。

クチコミ感想まとめ

💬「こういう執着愛、現実では絶対無理なのに、妄想の中では最高に刺さる…」

💬「鍵ってモチーフが天才。こんなに怖くてえろいとかどういうこと…」

💬「『知ってるよ』の一言で全身震えた。優しさって、こんなにも怖いんだ」

まとめ|なぜこんなにも“執着されたい”のか

『203号の隣人は鍵束一つ残して消えた。』は、恋愛下手な女性と、優しさに隠された狂気を持つ隣人との、心と身体を侵食する執着愛を描いた名作。

「女性向けアダルト漫画」としての魅力はもちろん、

「執着愛」「秘密の共有」「逃げられない関係」といったキーワードが好きな方にはたまらない内容です。

そして何より、自分では“ダメな女”だと思っていた主人公が、その歪さごと愛されていく過程が、私たち読者に勇気をくれる。

「こんな風に誰かに“全部”知られて、でも受け入れられたら――」

そんな妄想を抱いたことのある女性にこそ、刺さる作品です。

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203号の隣人は鍵束一つ残して消えた。(コミック)

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